「ポケモンGO」とどう付き合うか?

夏休みが始まって間もない7月22日に「ポケモンGO」が日本でサービス開始となりました。

7月6日にオーストラリアとニュージーランドで、翌7月7日にはアメリカでサービス開始以来、あっという間に世界中が「ポケモンGO」の話題でいっぱいになりました。

スマートフォンのゲームアプリはこれまで数多く提供されていましたが、位置情報やカメラ機能を使い、目の前に現れたポケモンの人気キャラクターを捕まえたり戦ったり、ゲームと現実世界をここまで融合させた臨場感あふれるものはなかったような気がします。

サービスが先行提供された国や地域において、「楽しい」「面白い」と評判の「ポケモンGO」ですが、一方で、事件や事故も多く発生していると報道されました。

米運輸省などによると、東部ニューヨーク州で7月中旬、運転中に珍しいポケモンを見つけた28歳の男性が、自動車を道路際の樹木に衝突させて重傷を負った。米メディアはポケモンを探していて崖から転落したり、歩行中や自転車で転んだりして、けがをする事故が多発していると報じている。10代の3人が原発の敷地に迷い込み、警備員に追い出されたほか、「ゲームのアイテムがある」とプレーヤーを誘い、強盗にひょう変する集団も現れているという。
東欧のボスニア・ヘルツェゴビナでは19日、プレーヤーが地雷が埋まっている可能性のある地域に立ち入ったとして、地雷除去に取り組むNGO「ポサビナ・ベズ・ミナ」が「ポケモン探しを中止してほしい」と声明を出した。

(毎日新聞 2016年7月21日より引用)

このような事態を受けて、日本ではサービス開始前に、内閣府より異例の注意喚起がなされました。

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「ポケモンGO」は13歳未満のお子さんが利用する場合は、親権者または法的な保護者が利用規約に同意し、サービスを利用するという流れになります。

サービスの利用開始にあたっては、さまざまなインターネットのサービスと同様に、自分自身を表すアカウントを作成する必要があります。

Googleアカウントを既に持っている方はそれを使ってポケモンGOを利用することができます。しかし、Googleは13歳未満のお子さんはアカウントを作ることができません。他にも「Pokémonトレーナークラブ(PTC)」アカウントというものがありますが、こちらは保護者が自身のアカウントを登録した後に13歳未満のお子さんのアカウントを紐づけることでお子さんもアカウントを作ることができます。これでやっとゲームを始めることができます。

ここから、私事です。
私は普段はゲームは全くやりませんが、これだけ騒がれているサービスを自ら体験したい、と常々思っていました。
ポケモンGOサービス開始日は出張のため車で移動しており、たまたま休憩のため停まった九州自動車道 山江SAでリリースを知り、早速ポケモンGOのアプリをダウンロード&インストール、Googleアカウントを作成し、ゲームを開始しました。

ポケストップと呼ばれるアイテムをもらえる場所へ行ったり、スマホの振動とともにモンスターが飛び出してボールを投げて捕獲してみたりとそこでできることを一通りやってみました。

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情報モラルの啓発活動をしている立場からさすがに歩きスマホはしませんでしたが、サービスエリアの中をスマホを握って歩き回り、時にはスマホをかざして妙な手つきをする私は怪しい行動をとる人と思われていたと思います。

業務用のスマホにインストールしたところ、電池の減りがやたら早く感じられたため、帰宅後にポケモンGO専用スマホを作りました。これは、過去に夫が使用していたスマホに過去に私が使用していた使ったデータ量の分だけ払うというスタイルのFreetelのSIMカードを挿し、ポケモンGOアプリをダウンロード&インストールし、その日に作った私のアカウントでログインしたものです。

楽しいのは、モンスターを集めたりアイテムを増やしたり…ということではなく、ゲームのしくみを知っている夫やDSでポケモンのゲームをやっていた娘と情報交換することです。ゲームが家族の共通の話題になるとは思いもよりませんでしたが、ゲーム上の疑問がみるみるうちに解消され、次の目的のためにどうすべきなのかを考えるヒントになっています。まるでプロジェクトを進めているかのようです。
わからないことを聞くことができる環境が身近にあることは、とてもありがたいと思いました。

このゲームには否定的な意見が多いようですが、予め仕掛けられているポケストップからこれまで知らなかった新たな発見があったり、モンスターやアイテムを集めるためにもっと歩いてみようという意欲が結果的に健康増進に繋がったりと副産物的な効果があるように思います。

ただ、ゲームへの欲求が強いと、独りよがりの行動になりがちです。周りに迷惑をかけない、危険に巻き込まれないように自衛する、などといったことも常に意識して行動すべきです。そういった意味では、ポケモンGOは、スマホの使い方を考える絶好の教材のような気がします。日本国内における今後の動向が楽しみです。