地域SNSフォーラムへ参加して来ました

6/1(金)に開催された「第10回地域SNS全国フォーラム in 姫路」に参加して来ました。

姫路城
会場のイーグレ姫路から見た姫路城は、現在工事中だそうです。

今回のフォーラムは、「地域を元気にするソーシャルメディアの使命と未来を語り合おう!」というテーマで開催されました。

基調講演の中で、「ネットワークとフットワークをマトリクスで考えよう」というお話があり、非常に興味深く聴きました。
地域SNSの活性化には、ひとりひとりに必要な要件「ネットワークとフットワーク」を組み合わせて考えることが大事だそうです。

つまりこういうことだと思い、勝手に絵で表してみました。

ネットワークとフットワーク

ネットワークとフットワーク

どちらもバランスよく…、が重要です。

トークセッションの模様
こちらはトークセッションの模様です。
これから始まる分科会を各代表が3分間でアピールする、というものでした。
当日のプログラム、及び分科会のテーマはこちらで見て頂けます。
どれもこれも興味深いものばかりで、開催時間を重複させないでほしい、とさえ思いました。

私が参加した分科会は、「災害時にSNSが機能するには-ICTは情報の空白域を埋められたか?」でした。

分科会の模様
写真は、分科会の模様です。

「東日本大震災で阪神淡路大震災直後の提言がどれだけ達成されたか?」というテーマで議論がスタートしました。
提言は以下のとおりです。
・災害直後の「安全情報」を提供する体制の整備
・災害時の「安否情報」のシステムの確立
・被害の状況を的確に把握するための情報収集能力の強化
・緊急避難生活を支援するための情報ネットワーク構築
・震災の記録・経験・教訓をマルチメディアで記録し活用

震災直後に、14の地域SNSどうしが連携し、宅配便さえ届かない被災地にトラックで物資が輸送された「村つぎプロジェクト」の報告がなされました。
被災地で本当に必要な物資の情報を収集し、各地域SNSへの情報拡散があり、皆で協力して物資を集めトラックとドライバーを交代させながら(地域SNSの拠点を通るたびに物資が増えるので)、輸送したそうです。
また、被災地の地域SNSの方が、他の地域SNSのメンバーに加わり情報を収集、混乱している被災地へ安否確認やライフラインに関する最新情報など正確な情報を提供したとの報告もありました。

皆さん異口同音に仰ったのは、「普段から使うツールでないと災害時には利用できない」ということでした。
特に、災害時には情報過多となりがち、情報元を確認することなしに、よかれと思ってあらゆる情報を拡散しがちになります。
地域SNSでは、普段から顔の見える信頼関係を構築、維持しておくことで、情報の信頼性が担保でき、フィルタリングすることができます。
そのためには平時の地域情報を共有するための工夫が大事です。

また、震災直後のフェーズ毎に必要な情報に相違がある、とのお話もありました。
例えば、震災直後は、まず人命が最優先、「避難」情報が優先順位の高い情報となります。
次のフェーズでは、食料や水など生命の維持に必要な情報の優先順位が高くなります。
必要な時に必要な情報がタイムリーに知らされないと、全く無意味なものになってしまいます。
これをいかに改善するか。同様に避難所であった情報格差の改善も次なる課題となります。

また、民間が主体となって解決したと言われるものがありました。
災害時の「安否情報」システムの確立がそれです。
有事における行政と民間の役割と責任範囲、スピード、これも課題となります。

グローバルなSNSと言われるTwitterやmixi、Facebookはそれぞれの持つ特長と役割が違うため、善し悪しを決め取捨選択するのではなく、地域SNSやコミュニティ放送などあらゆるメディアを相互に連動させ、普段使いの道具とすることが重要だというお話もありました。

地域SNSは、地域コミュニティ活性化のため大きな役割を担っています。
まさに、「人と人、人と地域の空白域を埋める」ものと言えます。
近所に住む人と会って顔を見て話すためにはお互いの時間と場所を一致させなければならなかったのが、デジタルツールを介することで時間と場所が合わなくても会えるようになったというだけで、基本的なつながりはこれまでと同様に保たれているような気がします。

せっかく存在する地域コミュニティが継続するよう若い参加者も増やしフォロー体制を構築することも重要だと思いました。