映画「SNS 少女たちの10日間」

表題の映画「SNS 少女たちの10日間」は、昨年チェコで作られ公開された話題のドキュメンタリー映画です。
熊本では、熊本市新市街の電気館で6/1〜10の短い期間に公開されました。
公開最終日に見ることができたので、ネタバレしない程度に感じたことを記します。

今やSNSやゲームなど、子どもがネットで知らない人と出会う機会はたくさんあります。
子どもは、好奇心で、あるいは自分の居場所を探すために、あるいは保護者から離れたいために、とこれも様々な理由でインターネットで知らない人との出会いを求めます。
怖いもの見たさもあるかも知れません。
怖いものを見ただけで終わればいいのですが、その時に体験したことが原因で人を信用することができずに人間関係を構築することができなくなり社会生活を営むことができなくなったり、命を奪われることに繋がったり、と良くないことばかり想像することはいけませんが、その影響は図り知れません。
やりとりをする相手とやりとりをする内容に未来が左右されてしまいます。
相手は近づく目的に応じて、ネットの匿名性を盾に身元を隠したり偽ったりします。
誰だか分からない相手に自身のプライバシーを明かさないのは当然のことです。

また、ネットでも現実世界でも同様ですが、積極的に出会いを求めるのではなく出会ってしまう場合もあるでしょう。世の中にはいろんな人がいます。

例えば、
・自分の欲求を満たすためには他人を犠牲にしても一向に構わない人
・自分にだけ都合のいい倫理観を唱える人
個人的見解ですが、この全てに当てはまる「ズルい人」とは現実世界でもネットでも付き合いたくありません。
しかし、特にネットの場合はやりとりをしてみないと「ズルい人」なのかどうかは分かりません。
それはかなり危険で面倒なこと、だから大人はちゃんとした目的がないとネットでの出会いを求めないのかも知れません。
「この人、ズルい」と感じたら、今後の付き合い方を考え直してみた方がいいと思います。

思春期に大きな興味の対象となり得る性のことを話題にできる家庭はどのくらいあるでしょうか。
女性の生理については社会的に取り上げられるようになりましたが、大人になるために必要な知識でこれまでタブー視されてきたことも家族で普段から会話できたらいいと思います。特に興味の対象となるものは友だちに聞いたりネットを使ったりして自分で調べます。そのような知識は学校だけで身につくものではありませんし、ネットの情報が全て正しいというわけではありません。一番身近で信頼できる大人である家族がどう考えているのかを示す良い機会かもしれません。
何かあったらまず家庭で話すような習慣となっていれば、子どもに何か起こった時に即座に相談が来るでしょう。

あるテレビ番組で、台湾のIT大臣として有名なオードリー・タン氏が大人は子どもにどう接するべきかという問いに、「ルールを押し付けず、結果と理由を教えること」と仰っていました。
ネットとの付き合い方についても同様だ、と思いながら見たところでした。

この映画を観ての結論、子どもがネットトラブルに巻き込まれないために必要だと強く感じたのは、
・やり取りする人を選ぶこと
・家庭の話題においてタブーを無くすこと
という2点でした。